返還された借地を持ち続けるか、売却するかの判断ができない
ご相談者は、長年第三者に土地を貸していた地主様でした。貸地には、以前は借り主が自分の建物を建てて住んでおり、毎月一定の地代収入がありましたが、借地契約終了に伴い、借地権者との合意のもと、更地状態で土地が返還されました。
これまでは収益を生んでいた資産は、狭小地で借り手がつかず、一転して固定資産税などの維持費だけがかかる状態となってしまい、今後どのようにすべきかを悩まれ、ご相談に来られました。
1.土地の狭さと道路規制
土地面積が約12坪と非常に狭く、さらに前面道路も狭いため、新しく家を建てるにはセットバック(道路を広げるために敷地の一部を道路として提供すること)が必要でした。そのため、相談者様の土地活用が極めて難しい状況にありました。
2.「財産管理人」が関わる複雑な所有権の問題
相談者様の貸地は共有名義になっていましたが、共有名義人のおひとりは亡くなっており、財産管理人(亡くなった方の代わりに財産を管理する人)を立てておられました。そのため、単独名義に変更するのは容易ではない状態でした。
1.隣人への土地活用提案
極めて小さな土地であったため、住宅用地としての売却は難しく、その土地を最も有効に使えるのは隣家であると考え、当センターと連携している不動産会社が相談者様の同意のもと、隣家へ交渉に伺いました。隣接する土地を取得することで、駐車スペースが確保できるだけでなく、将来売却する際にも土地を広げることで資産価値が高まる可能性があることを丁寧に説明し、活路を見出しました。
2.特殊な権利関係に関する事前の情報開示
隣家の方には共有名義人が財産管理人という、少し特殊な状態であることもしっかりお伝えしました。そのため、ご購入後は、ご自身の単独名義にはなりませんが、将来的には財産管理人から買い取る手段もあることをお伝えし、納得して購入を決めていただくことができました。
自分たちでいくら動いても買い手が見つからず、狭い土地なので諦めかけていました。権利の関係も複雑で素人にはさっぱり分かりませんでしたが、お隣の方と繋いでくださったおかげで、ようやく手放すことができました。肩の荷が下りて本当に感謝しています。
面積が狭い土地や、法律上の規制がある物件は、一般的な販売方法ではなかなか売却できません。しかし、そのような状態でも隣地の方にとっては「喉から手が出るほど欲しい土地」に変わることもあります。また、相続が重なり、権利が複雑になってしまった場合でも、専門家を交えて状況を整理し、透明性を持って交渉することで道は開けてきます。断られても諦めず、その土地に適した解決策を模索し続けることが大切です。
※建物の修繕・解体、不動産の賃貸・売買及びその媒介などの活用は、必要とされる許認可を持つ事業者の協力を得て行っており、当センターが直接行っているものではありません。予めご了承ください。