2016年7月6日 公開
空き家が放置されている理由の一つに相続手続きの煩雑さがあります。相続手続きでは多くの情報を集めて、役所や銀行、法務局などに持ち込む必要があります(不動産登記以外の資産も含みます)。そのため、書類が足りないなどの不備が起こることも多く、遠方に住んでいる方を中心に相続手続きが遅れてしまったり、不動産の相続登記がされないケースもありました。
そのため、法務省は相続手続きの簡素化するための制度を新設する計画です。戸籍謄本などの必要書類を法務局へ提出すれば、その内容を証明してくれる書類を無料で交付するというものです。この新しい制度により、相続手続きで必要とする書類が大幅に減るため、相続登記されずに放置されてしまう空き家も減るのではと期待されています。
当センターにも、相続登記でつまづいてしまった方からの相談をいただくことがあります。「必要書類が多すぎてどこから手を付けるべきか良く分からない」「(親が所有していたことを知らなかった不動産が見つかり)また一から書類を集めて相続をやり直さないといけない」といったものです。この新制度をキッカケに、相続登記をせずに放置されてしまう空き家が減るのではと期待しています。
空き家を含む不動産の相続登記は増加傾向にあります。高齢化が進むにつれ、さらに相続登記される不動産は増えると予想されています。登記は所有者が任意で行うため、相続登記がされておらず、謄本上は3代前(曾祖父母)というケースもあり問題になっています。