2024年5月13日 公開
空き家は誰も住んでいない状態が続き、“放置”されてしまうことで、様々な問題を引き起こしてしまいます。そこで国や自治体は、所有者が空き家を放置させないための法律や条例を定め、適正管理を促してきました。
それでもなお、増え続ける空き家の実態を受け、国は昨年の12月に空き家の適正管理を促進する「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、空家等対策特別措置法)」を、より厳しい内容へ改正しました。
2015年に施行された「空家等対策特別措置法」によって自治体は、老朽化により危険な状態の空き家や、周囲へ衛生的な悪影響を及ぼす状態の空き家などを、「特定空家」に指定できるようになりました。そして、「助言⇒指導⇒勧告⇒命令」と段階的に空き家所有者へ改善を促します。その際、「助言」や「指導」といった比較的早い段階で改善をおこなわず、「勧告」を受けると固定資産税が増額(住宅用地特例の解除)、その後の「命令」にも応じなかった場合は50万円以下の過料という罰則が科されてしまいます。
しかし、すでに老朽化してしまった段階の放置空き家を、特定空家に指定し、改善を促したとしても、改善は非常に困難という実態がありました。
今回の法改正により、「すでに危険な状態にある空き家」が指定の対象となる特定空家だけでなく、「今の状態のまま放置すれば、特定空家になる可能性のある空き家」に対しても、適正な管理を促す措置として「管理不全空家」という区分が新設されました。
管理不全空家は特定空家よりも多くの空き家が該当する可能性があるため、空き家を所有する方にとって、ますます空き家管理の必要性が問われることとなります。
管理不全空家に指定され、改善に応じなかった場合、以下の罰則が科されることとなります。
①「勧告」を受けると、固定資産税が増額(住宅用地特例の解除)
②「命令」に応じないと、50万円以下の過料
このように、今回の法改正における「管理不全空家の新設」は空き家を放置させないよう、所有者に適正な管理をより強く促すものとなっております。もし万が一、自治体から管理不全であると改善の要請があった際には、すぐに自治体に連絡し、現地状況の確認及び適切な対処を迅速におこなうことが重要です。
空き家の適正管理は、少なくとも月一回は訪問し、建物や庭に異常がないかの確認やポスト清掃、不法投棄があれば回収するなどの作業が必要となります。しかし、ご自身で管理作業をおこなうのは、時間や体力などの大きな負担がかかります。
ご自身で管理作業が難しい場合は、当センターでも提供している空き家の管理代行サービスなどを活用し、まずは放置しないことが重要です。管理サービスの提供業者によって作業内容が異なります。作業内容をよくご確認いただき、依頼先を検討されることをお勧めいたします。