高額な維持管理費の負担と早期売却への焦り
お父様が施設に入り、空き家となって4年が経過した実家のご相談でした。庭の樹木が生い茂り、毎年の管理費だけで50万円以上かかる金銭的負担に悩まされていました。また、お父様が認知症になりかけていたため、「意識がしっかりしているうちに手放したい」と切実な思いで相談に来られました。
1.未知の相続人との合意形成
売却手続きの途中で、所有者であるお父様が急逝されました。さらに相続人の調査を進める中で、お父様にはご相談者様が把握していなかった養子が2名いることが判明。この方々の同意がなければ売却ができないという、予期せぬ事態に直面しました。
2.土砂災害警戒区域による対策
ご実家の土地形状は、敷地内に大きな高低差のある崖地を抱えており、東京都から土砂災害警戒区域(土砂災害の恐れがある区域)に指定されていました。新しく家を建てるには、崖崩れを防ぐ擁壁(ようへき)を作るなど、数千万円単位の多額の費用がかかることがわかりました。
1.司法書士との連携による、相続人調査と仲介
相続手続きの専門家である司法書士と協力し、相談者様に代わって判明した養子の方々の所在を調査し、連絡を取りました。状況を丁寧にお伝えしたところ、相続放棄の承諾を得ることができ、遺産分割協議を無事にまとめることができました。
2.土地の状況に合わせた価格設定
売却にあたっては、更地として売ると崖地への対策費用が膨大になることを考慮し、あえて建物を壊さず「中古住宅」として周辺相場よりかなり手頃な価格で売り出すことを連携する不動産会社から提案しました。その結果、崖地リスクを理解した上で購入を希望される方が見つかり、無事売却をおこなうことができました。
まさか知らない親族がいるとは思いもよらず、担当の方が粘り強く手続きを進めてくださり、本当に助かりました。庭の管理費用の負担からもようやく解放されました。
相続した不動産を売却しようとする際、これまで把握していなかった相続人が新たに判明するケースもあります。その場合、遺産分割のやり直しや同意の取得が必要となり、手続きを整理しなければ売却を進めることができません。
また、土地の状態によっては、崖地などの建築制限により建物の建て替えが難しい場合もあります。こうした物件は一般の住宅用地としての需要が限られるため、売却方法を工夫する必要があります。
本事例のような複雑かつ複合的な課題を抱えた場合は、専門家を交えて状況を整理することが、解決の第一歩です。
※建物の修繕・解体、不動産の賃貸・売買及びその媒介などの活用は、必要とされる許認可を持つ事業者の協力を得て行っており、当センターが直接行っているものではありません。予めご了承ください。