「東京の不動産は値上がりしているから、そのまま空き家にしておこう」――こうした思い込みから、空き家の放置を続けているオーナーは少なくありません。確かに、東京都内の地価は近年上昇傾向にあります。しかし、その安心感には大きな落とし穴があります。
土地の価値と建物の価値は、まったく別物です。土地が値上がりしている間にも、建物は劣化し続けています。気づいた時には、資産だと思っていたものが負債に変わっていた――そんな事態が、東京都でも現実に起きています。
不動産の価値は土地と建物の合計です。土地価格が上昇したとしても、建物の価値は経過年数と管理状態によって変化します。
木造住宅の法定耐用年数は22年。築30年を超えると、固定資産税評価上の建物価値はほぼゼロとなります。さらに、管理不全が続いた建物には「劣化による追加マイナス評価」が加わります。買い手が内覧時に解体が必要な建物と判断すれば、解体費用(相場:100万〜300万円)を売価から差し引くよう要求してきます。つまり、地価が上がっても、建物のマイナス評価がそれを相殺してしまうのです。
定期的な換気や清掃が行われない空き家は、外からは問題なく見えても、内部では急速に劣化が進んでいます。まず起きるのは湿気の蓄積です。人が住んでいれば自然と換気される室内も、空き家では湿気が逃げ場を失い、木材の腐食やカビの繁殖が始まります。次に、屋根や外壁の小さなひび割れが放置されることで雨水が浸入し、構造材にまで水分が及びます。そして深刻なのがシロアリです。一度侵食が始まると、柱や土台が内側から食い荒らされ、外観からはまったくわかりません。
買い手が建物調査(ホームインスペクション)を実施すれば、こうした劣化は明るみに出ます。その結果、大幅な値引き要求や、最悪の場合は購入キャンセルに至ることもあります。
具体的な修繕費の目安を見てみましょう。
これらが重なれば、地価上昇分は軽く吹き飛びます。待てば高く売れると思って放置した結果、手取りが大幅に減ることに繋がります。「土地値がある東京だから」という安心感が、建物劣化への無関心につながる危険なパターンです。
空き家の活用をお考えであれば、地価が高い今だからこそ、建物の劣化が本格化する前に動くことが資産価値を最大化する最善策のように思います。売却するにしても、賃貸に出すにしても、リフォームするにしても、建物状態が良いうちに手を打つほど選択肢は広がります。
「いつか」「もう少し様子を見て」という判断の先延ばしが、不幸な結果に転じる選択になりかねません。土地価格が上がっている今こそ、建物がまだ使えるうちに判断されてはいかがでしょうか。
ご自身の判断に少しでも不安を感じたら、当センターへご相談ください。ご相談は無料です。一緒に最適な解決策を見つけましょう。