2014年5月2日 公開
「空き家を格安で借りたい」
「空き地を無料で貸して欲しい」
このような要望を多く頂きます。
『誰も使ってないのだから、安い賃料で借りられる』
そう考えられている方も多いと思いますが、実際はそうでは無いのです。
賃貸契約の場合、貸し主には『目的物を使用収益させる義務』があり
給湯器が壊れたり雨漏りが発生したら
修繕しなければならないといった義務を負っています。
つまり、「通常の賃貸」と「空き家の賃貸」を比べても
管理にかかる手間やコストがあまり変わらないということになるのです。
また、空き家を賃貸するのであれば
多くの場合、リフォームや修繕などをして、
雨漏りなどがなく最低限使える状態にしてからの賃貸になります。
その工事には多くの費用がかかりますので、
その分賃料に転嫁されることになります。
以上の理由により、相場よりも低い賃料で空き家を借りるというのは
なかなか難しいと言わざるを得ないというのが現状です。
人口減少が進んでいる地域では、行政が移住促進策として
相場より安い賃料で募集していたりしますが、
そういった動きはまだまだごく一部です。
現状では需要と供給が上手くマッチしていない状態ですが、
貸し主が修繕義務を原則負わないという
国土交通省が提示した『借主負担DIYの賃貸借ガイドライン』が
普及していけば空き家の賃貸が新たな局面を迎えるかもしれません。